GP-LETTER
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2008年2月号 No.116
ユーザ訪問 有限会社 幸新金型 様

〜金型納期を3日短縮〜
  高精度ダイカスト金型の製造を少人数で実現するまで

木浪 元幸社長と奥様、そして御子息の木浪 新章様の3人に金型作りの秘訣を伺いました。

木浪 美穂子様
木浪 元幸社長
木浪 新章様
有限会社幸新金型様のご紹介
所在地 : 福島県相馬郡新地町杉目日向145-1
TEL : 0244-62-5337
代表取締役 木浪 元幸 氏
奥様      木浪 美穂子さん
製造技術   木浪 新章 氏

主な事業内容
ダイカスト金型(精密部品・OA機器)の設計・製作
 
金型製作への取り組みについて教えてください

【木浪 元幸社長】
平成5年に精密ダイカスト金型の設計・製造を行う会社として“幸新金型”を興しました。それまでの業務で培ったノウハウを活かし、細部まで手の行き届いた納得のできる金型を作ることが目的でした。
その当時は、C3を1台(GP製のCAD/CAM)でデータを作成し、NCフライスで削れるところまで切削加工を行い、残りは放電加工で金型を製作していました。
しかし、この方法では電極加工や放電加工に手間と時間がかかり、納期を短縮できないため、“試しに直彫りに挑戦!”と、少しずつ切削加工の割合を増やしていきました。切削加工が増えることで、機械に張り付いて作業する必要もなくなり、無人運転が可能になるなど、時間に余裕ができ、CAD/CAMの新機能のテストや形状と工具に合わせた加工条件の追求などより良い金型製作に向けた取り組みができるようになりました。

【木浪 新章様】
加工方法のノウハウが蓄積された形状に合わせた加工のスタイルが確立すると、CAMによるデータ作りがスムーズになりました。やがてデータ供給に対して加工が追いつかなくなったため工作機械をもう一台追加することにしました。
現在では、1台のtoolsV3で2台のYBM640が稼動しています。 今では、深夜遅くまで仕事をすることも無く、毎日7時位には仕事を終えて帰っていますが、3人で月 に4〜5面の型を製作できるようになりました。

高精度加工の実現

金型によっては、形状の中央に開いた穴の真円度を1/100以下に抑えることを要求されるものがあります。昔は数度のつくり直しがありましたが、ここ数年は1回で合格しています。このような高精度な金型を実現するためには、まず高温の材料の流動性を考慮した設計が必要になります。
次に加工ですが、工具の振れを常に1ミクロン台に抑えています。そして最も重要な工作機械は位置決め精度の高いものを選定しました。この環境下であれば型の合わせ面をもう10ミクロン追い込みたい場合でも確実に実行することができます。もしも結果が思わしくない場合には、工具の突き出し長さやワークの機械への取り付け方などを確認します。
ここで、重要な事はCAMを原因とは考えなくてすむことです。加工前にチェックは行いますが、長年の経験から切削パスの精度は実証済みです。万が一の問題が起きた場合の対処として、切削パスの精度不良を考えないで済むことは原因追求の手間の削減に繋がるため重要です。
toolsV3を利用することのよさのひとつです。また良さという点では昔のC3に比べて機能が豊富なだけでなく、格段にパスが安定していることも見逃せません。CAMの進化の恩恵かもしれません

最近のtools V3の機能で注目されているものを教えてください

toolsV3のバージョン3.3以降、荒取り工程の見直しを行い、複刃系の加工モードを新たに採用しました。
これにより、プロファイル作成時間と演算時間の大幅な削減が可能となり、中には3日間の納期短縮を実現できた金型もあります。これまで荒取りは等高線荒取りを利用していましたが、この切削モードを利用することで、演算時間・加工時間の短縮を見込むことができるようになりました。
また、中荒取りにおいては大荒取り終了後の取り残り領域に無駄なくパス出力をするため、部分加工を実施していました。(最適化のエアカット削除を使わない理由は、無駄なリトラクトやエアカットが多かったためです。)これに伴い、計算範囲面を個別に作成する、加工領域を塞ぐなどのモデリング作業が発生していましたが、等高複刃取り残し工程を利用することでこれらの手間が一掃されました。
しかし、実は複刃加工だけでなく、加工残り状態を視覚的に確認できることがとても重要なポイントなのです。Ver3.3.1で搭載された最適化の表示機能(ソリッド表示−モデル)により、加工残りのカスプ状態が正確に把握できるようになったことで、次工程の作戦を決めやすくなったのです。
カスプの加工残り量が多い場合や溝部など負荷がかかる場合、コーナーRを挿入したり、送りのスピードを落としますが、それ以外は送りを上げて一気に取りきるなどの使い方をします。この視覚的効果と荒加工時間の短縮、モデリング時間の短縮により、納期が従来より縮めることができました。
また、Ver3.3.2から機能追加された「最終平面ピッチ」によりさらに運用の幅が広がりました。 更に、複刃加工モードを利用することで工具負荷が低減されたため、工具寿命が延び、工具本数を60パーセント近く削減できるなど、全体的に作業効率を向上させることができました。

GP Customer Direct 更新情報
 

テクニカルサポートサイト「GP Customer Direct」は 2/20に更新いたします。
http://www.graphicproducts.co.jp/support


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