GP-LETTER
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2007年8月号 No.110
ユーザ訪問 有限会社井川金型製作所様

こだわりは短納期
  〜システム導入経緯、効果、そして短納期を実現するポイント〜

短納期にこだわって金型づくりをされている井川金型製作所様。
専務の井川秀一氏に、システム導入の経緯、効果、そして短納期を実現するためのポイントなどを詳しく伺いました。

専務 井川秀一氏(写真右) 他設計部の皆様

有限会社井川金型製作所様のご紹介
所在地 : 静岡県伊豆の国市長岡1407-3
TEL : 055-948-1975
代表取締役 井川 謹吾 氏

事業内容
・各種金型の設計・製作
 (グラビティ金型、ダイキャスト金型、プラスチック金型)
・3Dモデルデータ作成
・NC加工データ作成
導入前の経緯
●そもそも、CAD/CAMシステムの入れ換えを検討されたのはどうしてですか?
うちは、自動車向けのグラビティ金型、ダイキャスト金型を作成しています。以前使用していたCAD/CAMシステムはモデリング作業に必要なクリック数が多く、かなりの手数が必要なCAD/CAMでした。体力的にも、物凄く“シンドイCAD/CAM”で、作業時間が掛かる分、作業ミスも増えて、いい加減なモデル形状になりがちでした。また、以前のシステムは、CAMの加工精度を細かくすれば細かくするほど、加工後に畳の目のような 模様が出てしまっていました。結果的に磨きなどの仕上げに時間がかかっていました。
また、こんな事があったんですよ。自動車ランプのリフレクター(反射面)加工時、以前のシステムでは何度加工しても、いくら精度を調整しても、受け入れ検査がNGだったものが、他社がcam-tool(toolsV3の前身)で加工したものが、一発で合格になったんです。成型後リフレクター(反射面)の配光テストにも合格して、カッターパスに関しては、素晴らしいCAMだなと印象を持っていました。そういった経緯から、次にシステムを換えるのであれば、toolsV3だなとは思っていました。

●導入前のデモンストレーションの印象はいかがでしたか?
型割り機能が、印象的でしたね。お客様から受け取ったパイプ形状のモデルをIGESデータから変換し、その場で型割りしてもらいました。短時間でいい所まで型割りのモデリングが出来て、これはいいと思いました。“キャビコア分割コマンド”は実際の仕事では思ったより使わなかったのですが(笑)、最初の一手とかでは使用します。複雑なモデルだと、その後で他のモデリングコマンドを利用する方法が便利です。それは、一つ一つのコマンドが細かいところまで考えられているから、全体として操作性が良く、スピード感があると感じました。
また、”抜き勾配チェックコマンド”などの形状を確認する方法も豊富にあり、視覚的に確認できところも良かったですね。
導入後の効果

●導入後、一年経過しますが具体的な導入効果はいかがですか?
細かい作業が一つ一つクリアーされて、作業時間が全体的に早くなっています。
モデル精度とモデル作成のスピードが上がって、間違いも無くなりました。勿論CAMの方もスピードがかなり上がっています。以前のシステムでは丸一日プラス夜も残業していたものが、午前中の作業でほぼ形状ができて、午後はチェックのみでモデリング作業が終わってしまいます。特に大きい金型では、約半分ぐらいの作業時間になりました。それぐらいの違いがあります。
電極なんかも、かなり早いですよね。電極を20個から30個作成するような金型では、電極用モデルを作成して、CAM設定し、演算・NCデータ作成、その後電極図を書いて、さらに加工指示書を書いてといった作業に、以前のシステムでは2日間みっちりかかっていましたが、今では半日で出来ちゃうことがあります。朝から始めて、昼12時に終わってしまうんです。パターンにはまった時はかなり早いですね。自分でもびっくりするぐらい早いです。必死で2日だったのが半日ですから。以前のシステムはポリゴン計算だったこともあり、それと比較すると演算時間は長いし、データ量も多いけれども、作業全体を通してみるとスピードアップしていますね。モデリングからCAM設定、演算、シミュレーション、そして加工指示書を出すまでのトータルで考えると、作業が早くて正確になっています。
加工指示書のカスタマイズと最適化をうまく使えるようになってからは、さらにスピードアップしてきました。最適化は、最初どうも判りづらかったのですが、最適化の精度について理解してからは、他社のシミュレーションソフトも不要になりました。
短納期のポイント
●御社の金型作りで、こだわりのある部分はどこですか?
うちは短納期ですかね。

●その短納期を実現するために、どんな工夫をされていますか?
一番は直彫りを増やすということですね。放電加工だと、時間がかかりますしね。出来るだけ段取りを減らすということです。 以前は、工具のアプローチの際に出来る打痕やパスが食い込んだりすることが意外とあったんです。また、等高線仕上げと平坦部分の繋ぎ目など、なだらかな所がどうしても食い込みがあったんですが、今はそれがなくなりました。安心して加工できるようになりましたね。それと、直彫りを多用するようになってから、仕上がりがなんだかよくわからないけど綺麗なんですよ。(笑)本当、よく理由はわからないです。

●その他の部分はいかがですか?
小型の金型はCBN工具で形状からPL面まで一本で仕上げてしまいます。型合わせは一発OKです。5〜10時間位加工するので、刃もちの悪い工具ではだめですが、良い工具ですとまず問題がないです。一本の工具で仕上るので、工具交換による誤差などは発生しなくなりました。またタイミング良く、工具メーカからも突き出しの長いエンドミルやCBN工具などが出たこともあってさらに直彫りが増えています。 また、最近はお客さんの寸法精度への要求が厳しく、放電加工ではクリアするのが難しい状況が増えました。鋳造自体にばらつきが多く、設計どおり金型を製作しても、あと0.01mm追い込んで、0.02mm追い込んで、と言われるので放電ではなかなか難しいのです。そのため、マシニングで加工できるものは極力そうするようにしています。
toolsV3を使用し、
CBN工具用高精度NCデータを作成中
●その他の工具はいかがですか?
高送り用超硬ラジアスエンドミルは工具メーカが提供する条件どおり加工するには、toolsV3の等高線荒取りの“トロコイド加工”を使用しないと、工具が折れてします。以前のシステムでは溝切削の部分であっという間に折れてしまっていたので、この差は大きいですね。
導入コスト
●一般的にtoolsV3の導入コストは高いという意見が多いですが、経営者としてはいかがですか?
以前のシステムのときは、データ作りだけで、2、3日の徹夜は当たり前でした。toolsV3を導入してからは、そんな事はなくなりました。toolsV3に計算させておいて、夕方5時に家に帰って、夜9時ごろちょっとチェックし、朝までまた計算させる。朝にはいい物ができているから、あとは1時間ぐらいかけて指示書を出しておしまいです。
toolsV3を導入してから、人間らしい生活ができるようになりましたね。だからといって仕事量が減っているわけでもなく、それなりの仕事量はこなせて、なおかつそれが出来ているのです。
僕は会社側の人間だから、そのような仕事のやり方でも良いのだけれども、従業員にそれをやってくれとはなかなか言えません。toolsV3みたいに、時間が短縮できてなおかつ品質も上がるものでしたら、お金の使い方としては最高ですね。他と比較してもオプションなども含めれば、特に高くはないじゃないですか?
オペレータ教育
●また、toolsV3は難しいという印象をもたれている方も多いのですがいかがですか?
現地講習にて教育をお願いしました。講師で来てくれた方は皆さん真面目で、解りやすく説明してくれたのもあり、2,3日ですぐ覚えられましたね。講習の後で仕事をしなければならなかったのもあり、集中して覚えました。また、わからないことがあると、テキストを読むのはあまり好きでないので、問い合わせでどんどん聞いてしまいました。GPの担当の方の名前も随分覚えましたね。お陰で比較的短時間で操作の習得が出来ました。
 その後、新人が入社しtoolsV3をもう一台増設しました。基本的なところの習得はGPの定期講習会に参加させ、講習会後は一通りの操作は出来るようになっていたのですぐに実戦です。出来ないところを自分がフォローする形をとりました。比較的短時間で、CAMの2台体制を築けましたね。
2台体制での作業分担は、その時々に臨機応変にやっています。金型ごとにすることもありますし、途中で引き継ぐこともあります。まだ社内のやり方が確立していないので、個人の好みとかでやってしまっています。プログラムの作り方とか、レイヤー分けの仕方とか、細かいところが、統一できていないです。今後の課題として作業の標準化を進めて行きたいですね。

toolsV3を使用されている若手技術者の皆様
●最後にGPに期待することはございますか?
現在、“カーブ切削”加工モードも良く使うがZ軸方向にしかピッチを追い込んでいけません。理想的には面方向に追い込んで行く加工をしていきたい。そのようなデータを作るために、現在は“CL+チェック”加工モードを使い、多少手間をかけてデータを作っています。
手間を掛ければ掛けただけの結果を返してくれる、このように手間をかけられるのもtoolsV3優位性のひとつとも思います。引き続きtoolsV3の機能改善をよろしくお願いします。

お忙しい中、ありがとうございました。(GPより)

(インタビュー 2007年6月 東京営業所 清水俊行)

GP Customer Direct 更新情報
 

テクニカルサポートサイト「GP Customer Direct」は 9/3に更新いたします。
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